『書燈』 No.19(1997.10.1)

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図書館の「超」利用法を見つけて生活をより面白く 阿部高樹


 大学に目的を持ってやって来た人は、さらにより良い図書館の利用に向けて常にアンテナ張り巡らしていることでしょうから、我々教員はその期待に答える必要があるでしょう。一方、なんとなく大学にやって来た人やいまだ進むべき方向や興味の対象を模索中の人に対して、図書館をはじめとした大学施設の積極的な利用をすすめることも、きっと、我々の大切な仕事なのでしょう。

 実際に学生の皆さんが図書館を利用する目的は多岐にわたることでしょう。ある時はいろいろな意味で将来への投資として自分を高めようと図書館を利用し、ある時は図書館の利用自体から満足を得ているでしょう。講義のレポート作成、定期試験・資格試験の勉強。仕事に役立てたいと実務書に目を通す場合、カラオケに行くにも時間が中途半端だし、図書館に行って時間をつぶそうかという場合。

 そんな中で「超」利用法を与えて利用を説得することは私の能力の限界を超えます。「超」利用法はそれぞれで考えて下さい。「広告宣伝活動」には「情報提供型」と「説得型」とがあると言われますが、ここでは私なりの情報提供をしたいと思います。

 私が学生の皆さんが利用したならばいろいろな意味で役に立つと思うのは新聞記事や雑誌の検索です。今のところ1日5〜6人程度の利用ということですが実際使ってみると大変便利なものです。論文・レポート作成のみならず、就職活動や皆さんの趣味に対しても参考となるでしょうし、検索する行為自体、新たな感動を与えてくれるかもしれません。

 なんとなくパソコンアレルギーがあるとかさしせまった「必要性」がないとか、使い方がわからないとかで利用が進まないのでしょう。でもやってみると簡単です。例えば、96年の日経新聞のCD‐ROMをカウンターで借り、一番左のパソコン(IBM1)で検索する場合です。スイッチを入れてWindows3.1が始まったら、プログラムマネージャーのウインドウを開きます。次に、CD‐ROMをセットして日本経済新聞のアイコンをダブルクリック→日経新聞インデックスのアイコンをダブルクリック→F1キーを押すと「日経全文記事データベース」の画面です。ここでキーワードの入力のために入力形式を「カナ半角」にします(Shiftキーと「カタカナひらがな」キーを同時に押して「カナ」、左上隅のキーで「半角」を選択)。さて、半角で「デンキジドウシャ」と入力して検索(F1を押す)してみましょう。「97件ある」と出ます。F4を押して一覧が出ます。せっかくだから7番めの「ハイブリッド車って何?」を読んでみましょう。↑↓で選択して、改行(Enter)で選択を確定させ、F2を押すと、記事の全文が出てきます。

 読み終えたらF1を押して前画面に戻ります。他に読みたい記事があれば同様に操作してください。今度は終り方。F9→F2、F9→F2とやって検索ソフトを終了、CD‐ROMを取り出します。最期にプログラムマネージャーのウインドウにして左上隅をダブルクリック、Windowsを終了して、スイッチoff。

 私としては、皆さんが図書館を利用すること自体ではなく、利用した結果に興味があります。資格を取るためや仕事に役に立つ資料を利用して目的を達成してくれるのはもちろん、皆さんが図書館の利用を通じて「知的な喜び・驚き」を感じてくれたならば私も大きな喜びを感じます。「へー面白いもんだ」とか「ほう、なるほどね」とか…。学問上の喜びでなくてもよいのです。これをきっかけに、図書館のパソコンのスイッチを押して新聞検索のソフトを動かしてみたという人が1人でもいて「面白いな」と思ってくれたなら、そして、「超」利用法の一つとして加えてもらえたなら、大変うれしく思います。


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