『書燈』 No.19(1997.10.1)

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COUNTER BALANCE

 -カウンターの内側から- 浅井千絵(大学院地域政策科学研究科)


 これは、まだ私がアルバイトを初めて日が浅かった頃のお話です…。

 カウンターには常に2人座っていて、貸出・返却業務も2人で行うのですが、どう考えても毎回私の担当曜日は、私ではなく相手の方が忙しく働いている事の方が多いなぁと…。これは一体!?と思いちょっと真剣に考えてみることにした。

 さて、考えられる理由その1は、単純に「優しそうな人」の方へ利用者が流れていく…。その2として男女問わず利用者の「好みの人」の方へ行く。その3として、暇そうな方(いつも暇そうな人という意味ではないので誤解のないように…)、つまり「すぐに手続きをしてくれそうな人」の方へ行く。

 ふーむ、確かにその1に関して、私は慣れない大学院生活がたたってか、いつも寝不足の恐い顔をしている事が多かったし、その2についても好みの問題であれ、女の子にもかかわらずノーメークの時が多かった。おまけに、カウンターいっぱいにものを広げていかにも忙しそうな様子も多かったなぁ…。

 、ちょっと真剣に考えてみたら、大変な状況であることに気がつき、急きょ改善すべく私は「日替わりメニュー」作戦を試みた。

 まず、一日目、前日いやというほど睡眠をとり、すっきりとした顔でアルバイトに望んだ。結果は変わらず…。めげずに二日目、きちんと化粧をしてみた。結果は変わらず…。もう、なんでもこい!!と、三日目、カウンターの前をすっきりさせた。結果ちょっと変化があったかも…。

 そんなこんなで、作戦も失敗に終わり、時が流れたある日。今日はやけに私の方ばかりに人が来るなぁ、と思ったその時、「こっちが返却ですよね」と一言。え、ここって貸出・返却の区別があったの?びっくりした私はカウンター外側に行ってみた。すると、カウンターの上に外側から向かって左に貸出、右に返却と表示されているではないですか!そうです。一人だけが異常に忙しく見えたのはこのせいだったのです。日によって貸出が多い日もあり、返却が多い日もあるということなのでした。

 みなさん、貸出・返却はどちらでもどうぞ!!


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