福島大学附属図書館報 『書燈』 No.30(2003.4.1)

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遡及入力作業の終了について
情報管理係

  平成14年12月に遡及入力作業を終了しました。この遡及入力作業は、入力担当職員(パート)4名を配置し、平成4年2月より10年11カ月にわたって行われました。この作業により、本学図書館が所蔵する資料の99.5%が検索可能になりました。残りの未登録は貴重図書の一部と和古書の一部などで貸出制限のある資料です。これらの未登録資料についても順次入力していきます。

  本学図書館の所蔵する図書及び雑誌のそのほとんどが検索可能となったことで、利用者は、複数の目録カードと機械検索を併用した検索上の煩わしさから解放されました。また、本館ホームページ上においても同様の検索が可能ですので、研究室や自宅からでも蔵書の検索ができます。本館を利用している地域の研究者の方々にも便利になったのではないでしょうか。

  遡及入力作業は、国立情報学研究所を中心とした全国総合目録データベースを利用して行い、その登録率は84%を越えました。また、この作業は、単に目録カードの内容をデータ入力したわけではなく、目録カードでは表すことができなかった件名や多くのキーワードが追加されました。さらに、著者名やシリーズ名リンクなどの機能が加わり、同一の著者・シリーズから資料を検索できることになったことにも注目できます。利用から遠のいていた本が検索ヒットすることにより利用された事例も何度か目撃しました。「蔵所に息吹を吹き込んだ作業」とも言えるのではないでしょうか。

  この作業を完了することができたのは、各学部の教授会の理解と、関係部局の後押しの結果であり、また、歴代館長・事務長をはじめとする図書館職員の総意でもありました。関係協力の方々に感謝申し上げます。また、遡及入力作業に直接あたったパート職員のみなさんにも感謝いたします。ランガナタンは『図書館学の五法則』のなかで「図書館は成長する有機体である」といっています。この作業の結晶が今後の図書館の礎となり発展することを願うものです。        

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