福島大学附属図書館 > 館長あいさつ
 

 

館長あいさつ”附属図書館 ルネッサンス Renaissance”

 

附属図書館は、大学における研究教育活動を支える学術情報基盤です。
所蔵される学術情報資料は、現在、81万冊に書籍とOnline Journalやデータベースなど3000タイトルに及ぶ種々のデジタルデータなど、さらに種々の資料を加えると、その所蔵は膨大な量となり、東北地区で二番目の蔵書をほこる大学附属図書館となっています。

 この豊富な種類の学術情報資料の利用においては、、高度化と質の向上を目指す研究者の研究活動の推進・展開、学類学生のフレッシュパーソン教育や基礎的な専門科目の学習支援と就職活動に関わる種々の情報提供、大学院学生の専門分野の教育や修士論文作成のための研究活動の支援、さらには、卒業生をはじめとする地域に方々の知的専門活動の協力・支援など種々の学術活動の側面を持っており、これに「サービス」というかたちで附属図書館がもつ特徴的な蔵書やデータをもとにしながら応えていく必要があります。

 研究者、学生そして地域の人々が活動する異なる領域において、効果的な情報収集や知識獲得を行うために利用する学術情報には自ずと違いが出るものと考えています。また、教育的な観点からすると、種々の資料を利用し活用の仕方のトレーニングをしたり、たとえば電子データ情報利用のための教育や啓発も必要となることでしょう。新たな種々の情報媒体に対応しながら、基礎となる学術情報資料の効果的な収集と快適な利用環境や質の高いサービスの提供を行っていく必要があります。

 一方、本学は積極的な研究成果の公開を目指して「学術機関リポジトリ」を構築するとしています。「学術機関リポジトリ」とは、「大学とその構成員が創造したデジタル資料の管理や発信を行うために、大学がそのコミュニティの構成員に提供する一連のサービス」です。そのコンテンツは、本学において生産される学術論文・図書等、教育用コンテンツ、学術データベース、特許情報やソフトウェアやその他のデータなどを予定しており、さまざまな学術情報を収集、蓄積、配信することになります。

 14世紀から16世紀にかけてイタリアを中心とする西欧において古代の文化や古典を復興しようとする歴史的、文化的な運動が展開されました。ルネサンス(仏: Renaissance )と呼ばれる文化運動でありますが、このことばは、「再び」を表す【re】と「誕生」を表す【nessance】の組み合わせを語源としており「再生」を意味しています。大学における研究教育活動を支える学術情報基盤としての活動を推進するときに、先に述べたような状況理解を共有する必要があります。「附属図書館、ルネサンス」のはじまりです。

 大学附属図書館University Libraryにおける学術情報資料は、人の躰にたとると血液のようなもの、地球でいえば酸素のようなものと考えていますが、大学における普段の生活では当たり前すぎてその存在や重要性を意識することは少ないようです。附属図書館を今後も学術情報基盤の中枢として明確に位置づけるために「福島大学附属図書館の理念と目標」を策定しました。研究に、学習に、そして卒業生をはじめ地域の人々の知的活動において、よりよいサービスと利用環境を提供して参りたいと思いますので、皆様からのご意見をいただきますとともに、ご支援、ご協力をお願いします。

2007年9月

”理念と目標”へ