『書燈』 No.19(1997.10.1)

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大塚久雄氏の蔵書 本学図書館へ 館長 渡辺義夫


 去年7月9日、朝日・毎日・読売の各紙は、その日未明の氏の逝去を夕刊一面で一斉に報じた。「大塚史学確立」「ウェーバー研究」「文化勲章」などの見出しとともに。

 その大塚久雄先生の全蔵書が本学図書館に寄贈された。まことに文字どおり有難く、名誉なことであると同時に、責任の重さを感じている。ご遺族はじめご尽力くださった東大大塚ゼミ同窓会(ヨーマン会)の皆様に深く感謝申しあげるとともに、これからが正念場の図書館としての仕事にたいする学内関係教官・職員のご協力を心からお願い申しあげる次第である。

 今年5月20日第一回「大塚文庫」創設協力委員会に報告された、あら整理による資料概数は、つぎのとおりである。

大塚先生著作物(含、抜刷・パンフ等)557点
洋図書・雑誌・資料1926点
和図書・雑誌・資料6709点
その他、ノート(74冊)、自筆原稿、テープ、ファイル、朝日賞盾、アルバム等々

 以下、経緯の要点を日録風に記録しておきたい。

'96.11.28 樋口徹教授(前館長・経済学部)から連絡。ヨーマン会の幹事会とご遺族とで寄贈先を検討中につき福島大学も、経済学部が大塚先生の代々の門下生との縁が深いので、以下の条件でなら受入れ可能と伝えておいた。①「大塚文庫」は作れない。②別置はできないがリストを作ってお渡しはできる。但しご遺族とヨーマン会としては、できれば「文庫」としての受入れ先をさがしている、とのことであった。

  12.2 館長・事務長を中心に事例をしらべ学長の示唆も受けつつ、場合によっては「文庫」としてでも受け入れたい旨、樋口教授に伝える。

'97.1.13 図書館として樋口教授に下見依頼。

  1.28 図書館協議会で樋口教授の説明を得て「文庫」としての受け入れ方針を決定。

  2.1 ご遺族から樋口教授を通じて福大に寄贈する旨連絡あり。

  2.18 評議会に経過報告。

  4.18 蔵書、福大に届く。ダンボール230箱。

  4.22 文庫創設協力委員(3学部から計6名)委嘱。

  5.21 図書館職員への小講座「大塚久雄先生の学問と蔵書」(講師:菊地壮蔵教授)14名出席。


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