福島大学附属図書館報 『書燈』 No.31(2003.10.1)

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メタデータって何?
情報管理係

 近年インターネットの普及により、ホームページから情報を得たり情報を発信したりするケースは珍しくなくなりました。ところで皆さんはYahoo!やgoogleなどの検索エンジンを利用したことがあると思いますが、ヒットした情報に無駄が多く、有用な情報を特定するのに苦労した経験はありませんか? これらの検索エンジンはホームページのカテゴリや単語だけを機械的に検索語として作成して検索しており、ホームページの内容を詳しく反映して検索しているわけではないため、深く特定の情報を探すには不向きといえます。

 国立情報学研究所(Nii)では、学術情報が多様なメディアやネットワークを介して多量に流通している状況を踏まえ、平成14年10月より「メタデータ・データベース共同構築事業」の運用を開始しています。この事業は各大学等が発信するネット上の学術情報資源の情報(データのデータ=「メタデータ」)のデータベース化と公開サービスを実施することにより、学術情報を利用しやすく整理し、各大学の研究成果を広く世界に発信することを支援するものです。集積されたデータはNiiの学術コンテンツポータル「GeNii(ジーニィ)」(http://ge.nii.ac.jp/)を通じて利用者に提供されます。

 「メタデータ」とはネット上の情報を定められた記述要素で記録したデータのことで、いわばネット上の情報の目録ともいえます。私たち情報管理係では図書館の各種資料についてデータ(タイトル、著者、出版社、分類法による分野の特定などの情報)を登録することによって、様々な検索に対応できるよう目録整理業務をしています。同様の作業をネット上の情報についても行おうというわけです。このメタデータ作成の対象となるのは、各大学等がネット上に発信する研究成果、研究者情報、広報情報などです。

 本学でのメタデータ作成は情報管理係が担当することになりました。今度中にデータベース収録の対象となる本学のサイトを選別し、メタデータ作成および登録の作業に着手する予定です。

 今後ネット上で流通する情報は一層増えていくことと思われます。印刷物などのように、ネット上の情報を整理し、提供していくサービスも図書館の重要な役割となります。

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