福島大学附属図書館報 『書燈』 No.31(2003.10.1)

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その昔 福島大学の近くにあった図書館(その2)
松川町議会図書室
渡辺 武房

  1961(昭和36)年3月、議会の調査研究に資するため、地方自治法に基づいて、福島県信夫郡松川町役場2階(現福島市松川支所)に設置した県内最初の町議会図書室です。

 これは松川町議会が1960年の秋、新庁舎の完成を機会に県下町村に先駆けて議会図書室を作ろうと計画し、同議会文教委員会(委員長:服部童村)が中心となって検討した結果、同年12月の定例議会で設置を決め、議会図書室運営規定などを定めて開室したものです。

 法律、一般教養書150余冊を揃えて開室しましたが、その後充実を図り、12月までには紀行文、自然科学書、行政資料、町の予算・決算書なども備え約700冊となりました。 一般町民にも開放して教養、知識の向上に役立て、1961年度には123人の利用者がありました。1965年10月には松川町町議会事務局が蔵書目録(約1,000冊)を作成しました。

 1966年6月1日、松川町が福島市に合併された後、図書は松川公民館(一部は水原出張所)に移され、現在は福島市立図書館の蔵書として登録されています(一部未登録あり)。 議事録は合併前1年間分は福島市議会事務局にあり、それ以前のものは福島市松川支所にあります。

 委員長だった服部童村(1909.8−)は松川町水原の農民歌人で、代表作に『山太郎』(造型社,1952)があります。

(参考資料)

・「初の町議会図書室」(1961.4.1付『福島民報』)

・「松川町議会図書室について」

(福島市学習センター 1998.12 調査・回答)

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