『書燈』 No.21(1998.10.1)
学内教官著作寄贈図書の紹介
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IQに惑わされるな! 『知能指数』東京 講談社現代新書 1997.2 佐藤達哉著 (行政社会学部助教授) (http://133.52.71.16/ads/sato/new.html) この本は題名のイメージとは逆に、「IQでアタマの良さがわかる」という自明視化された知識を楽しみながら疑うことを目的にした本です。 また、知能検査がひきおこした悪行(断種など)のエピソードの検討もしています。 誰それのIQは130だ、みたいなことを聞くと、ついその人のことを「アタマがいい人」と思ったりしてしまいますが、それほど根拠のあることではないのです。 むしろ、数値で人を捉えるとかえって害があるということを本書では強調しています。 人を単純な数値で捉えられると思ってしまうのは、「知能のような人間の性質が人間の内部にある」という仮定があるからです。しかし、よく考えるとそれは変です。私たちはいろんな状況でいろんな人といろんなモードで接することができる極めて柔軟な存在なのですから。 この本を読んで、みょーなIQコンプレックス(がもしあるとすれば)を笑いとばしてほしいと思います。 (請求番号371.8/Sa85c 学内刊行物コーナー) |
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『古代蝦夷の考古学』 1998.1 工藤雅樹著 (行政社会学部教授) 拙著『古代蝦夷の考古学』(一月刊)は『蝦夷と東北古代史』(六月刊)および『東北考古学・古代史学史』(近刊)とあわせて著者の古代東北の文化と歴史、とりわけ古代蝦夷についての考えを、東北・北海道の考古学と古代史、それに加えてアイヌ文化とアイヌ史研究の成果をふまえながら次のような点を中心に述べたものである。 古代蝦夷についてはそれをアイヌとする説とアイヌではなく辺境の日本人だとする説に分かれているが、両説が根拠とする論点にはともに否定できない事実が含まれており、両説を対立する説と見ることはできない。著者の考えでは東日本の日本人、古代蝦夷、アイヌはともに東日本から北日本の縄文人の子孫で、それぞれの地域の縄文時代以後の歴史の歩みのなかで東日本の日本人、古代蝦夷、アイヌへの道をたどったのである。また古代蝦夷の社会は部族制社会であることもあわせて論じている。 (請求番号210.2/ku17k 学内刊行物コーナー)
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